ブログ的に間が空いてしまったけど、いよいよ最終戦だよ。
METAL FACTORY FESTIVAL 2015
GONOREASも出演する。
我々LIGHTNINGをこの国へ呼んでくれた、スイスのヘビーメタル専門メディアである、METAL FACTORY。
その主催による、長時間のフェス。
そもそもフェス形式のライブをするのも初めてなLIGHTNINGは、朝から大変な緊張なのだよ。※だいごろう以外
朝起きて、外が賑やかだったので出てみると、家の前(教会がある)でマルシェをやっていた。
ドイツ語圏だと、マルクトというのか?
出店が出ていたり、カルーセルが出ていたり、娘たちが合唱をしていたり、童話の読み聞かせをしていたり…
どうでもいいが、俺の脳内に有る単語が、全てフランス語でインプットされているのはご愛嬌で。
東洋人は、大変珍しい。
特に我々のような北京原人(中国、韓国、台湾、日本)は、LIGHTNING以外、一切見かけたことが無い。
まあ!東洋人がいるわ!
といった感じで、大変レアものを見る目で見られる。
いいね、遠くへ来た感が高まるよ。
子供たちにフェリーテイル(おとぎ話)の読み聞かせをしていたおじいさんと話す。
「この読み聞かせ会は、あなたには退屈だよ。全部ドイツ語だからね(笑)」
と言われた。
流石スイス、お年寄りでも、英語はペラペラだ。
優しそうな、お爺さん。
会場への移動は、送迎者に機材を積み込むため、定員オーバー。
というわけで、俺だけ電車で移動。まあこれも経験だ。
俺ぐらいでも、やはり海外で電車に乗るのは怖い。
文字もわからないし、乗り方もわからない。
そもそも、日本以外の駅では、釣り銭が無い、販売機が故障している、など日常茶飯事なのだ。
そんなわけで、ダミールがお供を付けてくれた。
Atlas & Axisのベーシスト、Nicoだ。
長身。190cmある。
アイスホッケーをやっていた。
スイスは、寒い国だけあって、アイスホッケーが大変強い。
ちなみにこのジャケットは、自分でデザインしたという。
会場である、ヴェッツィコーンに到着。
すっかり仲良しに。
会場です。
こんなステージが、別の空間に2つ用意されてて、交互でショウが行われるという、俗に言うフェス形式。
見た事も無いし、やるのも当然初めてだ。
会場の外には、テントが用意されていて、食事や飲み物、ビールなどが、どんどん運ばれてくる。
これは、アーティスト専用。
料理人なども、その為に雇っている。
日本では考えられないが、芸術家への敬意が深いこちらでは、普通だ。
衣装着てないのが、リハ前。
衣装着てるのは、リハ後の本番前。
そう、本番前でも食べまくるのがLIGHTNING。
これらがまた、素晴らしく美味しいんだよ!5月のスイスは、気候も最高だし、このシチュエーションは何にも代え難いね!
本番近く。
人生初のフェス。
舞台裏から。
NINJA衣装に着替え、気合十分。
様々なアーティストが国内から集まってきたフェス。
スイスでは伝説的なスラッシュメタルバンド、POLTERGEIST(ポルターガイスト)や、BATTALIONも出演する中、精一杯やるしかないからね、もう!
といったところで、アクシデント発生。
今回、シングルギターであった為、ツインギターとコーラス(YAMA-Bさんが吹き込んでくれたものを使用)、そしてキーボードを、同期音源で対応していたのだが、突如それが使用できなくなってしまった。
この日、突如PAが欠席したため、PAをなんとGONOREASの御大ダミールが担当していた。
それだけでも凄い話なのだが、LIGHTNINGは、大トリであるスイスのスーパースター、GONOREASの1つ前、セミ・ファイナルであった為、ダミールがPAの席を離れなければならなかったのだ。
つまり、同期音源を操作する人間が不在。ていうか、PA不在。
もう一度書こう。
P A 不 在 。
で本番だ。
なんとかならないのかと、拙いドイツ語で懇願するも、「自分も本番を控えているので、なんともならない。自分でなんとかしてくれ」という返事。
肝(はら)を決める。
「俺がなんとかするから、皆、いつも通りやってくれ」
そう言って、あとは全てをアドリブで乗り切る事にした。
こうなればもう、自分のセンスと閃きを信じて、集中するしかない。
そんな中、本番開始だ!!
決めた肝が据わっていればいるほど、集中力というのは研ぎ澄まされる。
全曲を無事、演り切り、セミだというのに「We want more!!」の大コールも浴び、成功と言っていいライブになった。
5月30日 Wetzikon
1、Raise The Sun
2、Sail Away
3、Soldier Force
4、Destiny Destination
5、Save The Truth
6、THUNDER STEEL (カヴァー)
7、Never Surrender
8、HEAVY METAL (Of Destiny)
9、Brave Heart
キーボードが奏でていたテンションノートは、意識してギターの高音弦で鳴らし…ながら!コーラスは俺がそれっぽい英語で歌い…そして!どうしてもツインギターにするべき箇所は、和音を駆使しながら演奏した。
それは、この数日間、見知らぬ土地で、見知らぬ人たちの前で、中学生並みの英語と、幼稚園児並みのドイツ語を駆使しながら行ってきた、ヨーロッパツアーの集大成であった。
百の稽古より、一の実戦。
一度の武者修行は、千の通常ブッキングよりも、自分の財産としての価値がある。
今の自分にはもう、5月26日以前の俺では、逆立ちしても敵わぬだろう。
そういう実感があった。
そして修行というのは、その先で本物の技を見るという事が、最も重要である。
GONOREASの登場だ!!

あまりにも圧倒的過ぎて、写真がこれだけしかない。申し訳ない。
まず、第一の感想としては、
「"リズムが絶対に外れない呪い"にかかっているようだ」
アーティストには、ベーシックパワーというものがあると思う。
最も重要な、その人間の"器"というか、"骨格"というか…
手先の技術であれば、日本人は相当なレベルだと思う。手先の器用な国民性と、生真面目な性格でね。
では何故、世界的なプレイヤーが、日本から現れないのか?
リズムとは何だろうか?
ドラマーの叩くテンポに合わせて、楽器や歌を演奏する事だろうか。
それは、空や大地を流れる"気"の流れを感じる事ではないか、という気がした。そしてそれは、その場にいる全員が同じ気を感じた瞬間、音楽(リズム、メロディ、ハーモニー)が出来上がるのだろう、と。
我々が目指していたものは、写実画だったのか?
であれば、芸術は、MIDIという写真に対して、存在意義を失う。
幾度となくパリを訪れながら、一度もルーブルへ足を運ぶ事の無かった俺は、この日、初めてモナ・リザを見た気がした。
まあ要するに、根本からして違うなってのを、俺なりに感じたんだよ。
芸術は、心の情景だからね!
超強くなった気分だった俺は、ナメック星に降り立ったクリリンだった感じかな。
終演後、ダミールに、「お前はデーモンだ!俺たち人間とは何か違う」と言ったら、「Danke! You're the demon from the east!」と言ってくれたが、微妙な気持ちだった。
多くの人たちにサインを求められた。
GONOREASを観た後だったので、やはり微妙な気分のままではあったけど(笑)

とりあえず楽しそう(笑)
その間、他のメンバーは、機材置き場で寝てました。

椅子の間とかにハマりながら、ずっと寝てるんだよ。
嬉しかった出来事としては、スイスの重鎮(真の意味での)、プロモーターとしても最右翼である、POLTERGEISTが、LIGHTNINGを観てくれた事。
(これを後日、AZRAELのメンバーの方々に話したら、「懐かしいー!ポルターガイスト!!」と言ってくれたのが印象的だった)
そして、POLTERGEISTのリーダー、パットが、IRON ATTACK!の「Poltergeist」を買って行ってくれた(笑)
あーもうどうしよう。
淡いアルペジオ刻んじゃうよ!
奏で合う幻想のトライアングルだよ!
パットがLIGHTNINGの「Raise the sun 閃忍」Tシャツを着ている写真があったのだが、HDDクラッシュで喪失してしまった。
無念。
超絶技巧のスラッシュバンド、BATTALION。
ギターソロがあまりにもかっこよかったため、ギターのクラウディオと一緒に写真を撮った。
むちゃくちゃ巧いぞ!!
そして身長2メートル!!
176cmの俺は、完全に子供サイズ。
といった感じで、非常に多くの経験をした、メタル・ファクトリー・フェス@ヴェッツィコーン、終幕。
会場前でぱちり。

どっちも、アー写真に使えそうな良い写真でしょ。
メタルファクトリーの総帥、ロックスは、翌週からは、違うメタルフェスの取材で、フィンランドへ行くという。
それは2DAYSで、ヘッドライナーは、1日目がChildren of boddom、2日目がJUDAS PRIESTだそうだ。
そういう事なんだよな。
日本で、吉祥寺あたりでフェスをやりますとか言ったって、せいぜいトリはあのへんとあのへんで、誰々の先輩で…とかそんなノリだよ。
新木場コーストでやります、O-EASTでやります…それは大気圏の上空から見たら、ひと山いくらの腐ったみかんでしかない。
そんな1万、2万人の中で、何千年やり続けたところで、70億人を束ねるフリーザに勝つ日は永遠にやって来ない。
人を、心を育むのは、環境なのだ。
池の中で生まれ、その池の中の序列に従い、池の中で死んでゆくだけの人生で、海の広さを知る事は無いだろう。だから海で生きる者を捕食する事なども当然無いが、捕食される事すら無いのだから、来世か、そのまた来世、運良くヨーロッパで生まれるまで、我と彼の世界と宇宙のその存在に、気付く事も無いのだ。
じゃ次は、完全にオフだった翌日の事を書きますね。
ゆるい感じの。