Quantcast
Channel: Master-Dragonブログ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 275

「Perfume Of Silence」全曲解説

$
0
0

ここだけの話、今年はアルバムを作れば作るほど赤字です。
まあ、イベントやライブなどの売る場も無く、ショップも自粛(現在は時短営業)していたのですから、当然ですね。
なので、もうすっかり誰も新作を出さなくなってしまいました。

私 以外。

「ライブもイベントも無いなら、せめて音源を出さなければ、死に体ではないか」との思いから、もはや何のイベントに付随したものでもなく、「季刊IRON-CHINO」としてリリースを続けています。
そんな中でも、傑作と思える楽曲群が生まれているという、コロナ禍での現実。思えば会社員時代、毎夜深夜に及ぶレコーディング等の作業と、極端に少ない睡眠時間の中で作り出していった作品たちが、決して駄作ではなかった事を考えると、やはり創作に環境は関係ないのだと痛感します。

それでは、全曲解説!

 

 

1、Perfume of silence

(歌:まいなすいょん)

堂々たる1曲目の風格。メロディは極上にて激情。

まいなすいょんの歌唱は、回を追う毎に素晴らしく成熟されていきますね。頼もしい限りです。

「さよならも口づけで閉じ込めて」というフレーズが、実にロマンティックですね。

ギターソロは、どことなくHELLOWEENみたいです。個人的見解。

私の中でこの曲は、「20代の頃じゃ、絶対に作れなかった曲」。この濃厚な人生の中で出逢った、様々な感動と、長年の闘いで培った理論と技術。それが具現化した楽曲です。


2、YATSUGATAKE Thousand winds

(歌:Dummy)

新たに導入したMarshall最強シミュレーターを用いた、今回の個人的ベスト・ノリノリチューン。

唸るマーシャル!RainbowとGAMMARAYからしか影響受けてません!というような潔さがイイですね!Dummyさんの歌も、気合入りまくり!

というか、Dummyさんはいつでも気合200%男なんですよ。今一番アツいシンガーだと思います。

「ヤ!ツ!ガ!タ!ケ! Thousand winds」とか、正気の沙汰とは思えないバカバカしさ(かっこよさ)ですね。ライブで盛り上がりそう。

ちなみにオルガン・ソロは、私が弾いてます。勿論、私はオルガニストではないので、ミスした箇所は、本来あるべき形に修正してます。


3、Razing storm ~駆け抜ける嵐~
(歌:中村拳一郎)

拳さん節ですね。アニソンっぽい曲の多いIRON ATTACK!の中でも、なかなかの右翼曲です。私の言うアニソンというのが、世間の認識と別の並行線上にあるのは自覚していますが、ここを読んでいる皆さんなら、きっと共感してくれることでしょう。

サブタイからもわかるように、随所に「ガンダム0083」オマージュ的な歌詞を散りばめています。

 

4、殺生のMyst on the hill

(歌:勇舞)
赤面するぐらいに’80sアメリカンHR/HMですね。そしてギターの音が良いですね。誰が聴いてもMarshallです。

ミッドテンポは、本当に好きです。「ミドルで良い曲を書けるのが、真の実力者」とは、悶絶メタルK氏より享受したお褒めの言葉ですが、また1つ、ミドルの傑作が出来たと思います。

歌詞は、インドから中国、そして日本へ渡ってきて、現在は殺生石(栃木県)に封印されているとされる最強妖怪、九尾狐について歌っています。なので、ちょっと犬夜叉っぽいワードが出てきます。タイムリーですね。

ギターソロは、歪みを最低限に抑え、ノイズなども敢えてそのまま残して収録しています。’80年代の、あの生きた感じを出したかったのです。

 

5、Nobody knows her mourning
(インスト)

定期的に私がやる、この手のインスト。

変態リフ。リードギターは、わけわかんない系テクニカルに、しかし極めてメロディックに。

曲の最後、一瞬終わったかと思うブレイクの後、また少しリフを出して終わるという展開。これをIRON ATACK!では、「丼」(DONBURI)と呼んでいます。これは昔、吉幾三がやっていたCM「DON DON DONBURI」(多分。もうYoutubeにも無いので、正式名称はわからない)のソングが、そのような展開だった事に由来します。 ※代表的な物だと、「Stay insider」がそうですね。

それを踏まえて聴き返して欲しいのですが、このアルバム、丼展開が非常に多用されているのです。


6、蒼穹なりし老荘の郷(無何有の郷)
(インスト)

やりたい事がやれました。

これも’80年代ですよね。しかも北欧…いやアメリカかな?ソ連かも知れない。

ギター的には、実は1曲の中で様々な音楽スタイルのプレイが出てきます。ブルージーだったり、クラシカルだったり。このやり方は、私の常套スタイルで、コントラストを持たせて各々の良さを引き出しているのです。風車の理論の応用です。

ストラトで弾いてそうな曲ですが、実はいつものJacksonを使っています。ここまで音数の少ない、ギター・オンリーのようなインストだと、ストラトはノイズ問題的に難しい所です。しかしノイズゲートとかは使いたくない、使わない派なので。

極力ストラトのような音作りにして、歪みも抑え気味。Marshallアンプ直結(ところにより"DOD Overdrive preamp"を使用)のようなサウンドに、クリスタルのような透明感のリバーブ、みたいに仕上げました。まるでレニングラードの冬。


7、Rainbow Sky!
(歌:まいなすいょん)

いよいよIRON ATTACK!でも、こんなアブエリみたいな曲が出来ました!なんて私好みの曲でしょう。

この、ライブで演奏する為に生まれたような曲は、近年の中で上位に入るお気に入りです。ライブ特典DVDでも奏法解説してます。

メジャー(長調)の曲というのは、ストレートに作るとフックが無い(当たり前)ので、転調などは普段以上に激しく行っています。なかなかテクニカルです。

ギターサウンドは、Marshallに直結したぐらいの、驚くほど少ない歪みで、ルドルフ・シェンカーのようなキレ味軽妙なリフ・ワークを目指しました。

まいなすいょんの歌唱は、これこそ水を得た魚のように、生き生きとしてますね。待ってました。

そしてギターソロは、"福山芳樹さん+ミヒャエル・ヴァイカート"といった風合い。

これこそ、世界でもIRON ATTACK!にしか出来ない音楽性。


8、Fall into a crisis

(歌:Dummy)

いきなりアコギが良い音ですねえ。スロー・ナンバーです。Dummyさんの新たな魅力ではないでしょうか?

当初、この曲はJINNさんが適任かと思っていたのですが、それだといつも通りかだと思い、Dummyさんの情熱に賭けてみました。結果、大正解。

いつもDummyさんの歌唱はそうなのですが、1番の最初より、最後のほうのが明らかにエモーショナルなんです。常に気合は200%なのですが、歌ってるうちに、さらに過熱してきちゃうんでしょうね。だから曲を通して、1つのストーリーの様です。

サビの最後、Scorpionsの「ロボットマン」みたいなシークェンス・メロディが耳に残ります。

この曲が最後というのは、アルバムとしての構成が締まるというか、ここへきて遂に作品が完成したという感じがします。

 

 

以上。

全体的に、Marshallアンプが大活躍の、’80年代HR/HM的作品です。意図したわけじゃないんですが、最近Praying MantisとかLIONとかよく聴いてるので、その影響が出たんでしょう。まあ、全然それっぽい曲はないんですけど。

’80sアメリカンは、ポップスであれメタルであれ、「上手くて、音が良くて、わかりやすい」という、当時としては非常にエコノミック・スケールの大きな音像です。そのあたりを再現できてたら嬉しく思います。勿論、

私の音楽的ルーツは、英国、そしてドイツ産のHR/HMですので、いわば 「ブリティッシュ9割、アメリカン1割で、アニメ&特撮ソングのシェフが調理したコース全8品」。

皆さまの心のお口に合えば幸いに思います。

 

オンラインショップで販売中!

送料無料!


Viewing all articles
Browse latest Browse all 275

Trending Articles